プラスチックの熱処理

確実に再現可能な結果を実現


エキスパートに質問

熱技術事業部 部長ライナー・ヴィーゼヘーファーとのインタビュー

プラスチックを加熱処理するのはなぜですか?


今日、一種類のプラスチックまたは複数のプラスチックを組み合わせた製品がますます増えています。同時に顧客が求める製品特性、均一性や耐用期間への要求がますます高くなっています。当社の熱技術なら、メーカーは常に一定のプロセス・生産条件を維持でき、これにより一貫性のある製品品質を高い信頼性で実現可能です。



加熱技術はどの分野で応用されていますか?


当社の工業炉の用途はほぼ限りなく存在します。例えば、エラストマーのクロスリンク工程やシリコーンエラストマーの焼きなまし、または加硫処理に応用されています。さらに、他にもプラスチックの成形性を高めたり、熱硬化のための加熱にも利用されています。その他の用途分野としては、コーティングや繊維複合素材の乾燥や硬化ならびに PFTEの焼結、コンタクトレンズやプラスチック製眼鏡レンズの重合反応などが挙げられます。



現在の開発トレンドにはどのようなものがありますか?


Eモビリティーがより重要な事業分野となっています。この分野では、当社の炉は電気モーターのステータパッケージを接着するのに利用されています。さらに、非常に好調なのが医療技術です。この分野では、当社の炉はインプラントや人工補綴物、スタントの製造ならびに医療機器のコーティングに利用されています。その他にも、自動車や航空宇宙産業、さらに電子産業、製薬業など、幅広い分野のユーザーが利用しています。


工業用加熱技術

確実に再現可能な条件

当社は世界の先端を行く工業用加熱技術のスペシャリストであり、プラスチック業界では多くの企業のパートナーとなっています。当社のプロセスを最適化し、材料別に特化した機能を果たす工業炉は産業用に使用するために設計されています。特に均質な温度分布やいつでも再現可能な条件によって、当社の炉は一貫性のあるプロセスを可能にしており、これにより一定の物理的特性を持ち、一貫性のある製品品質を実現しています。


従来式の熱風炉

多用性と信頼性、豊富な実績

当社の熱風ソリューションの典型的用途は、シリコーンエラストマー用のチャンバー式アニール炉です。これらの炉は、要件に応じて外気投入量の増加や密封性の高度化、容易な搭載および取り出しを可能にする投入用ランプを実装することができます。小型製品やバルク製品は回転ドラムで焼きなまし可能です。


高効率マイクロ波炉

均一で経済的かつ迅速

従来式の熱風炉に加え当社ではマイクロ波チャンバー炉を工業用の加熱や乾燥処理用に提供しています。マイクロ波チャンバー炉は特に電磁場の均一性が高く、省エネ化を実現し、加熱時間と冷却時間を最低限に抑えます。マイクロ波による熱は損失なく伝達され、製品を内部から熱します。


多用性のある赤外線炉

柔軟性、高効率、迅速

当社の赤外線炉ソリューションなら、多様な工業用製造ステップに役立ちます。赤外線炉は迅速かつ均一そして高いエネルギー効率で加熱し、必要な場合は熱風と併用したり、移動型乾燥炉として使用することもできます。当社では顧客カスタム仕様の赤外線炉、赤外線モジュール、赤外線放射装置を提供しています。


バッチ処理

柔軟な選択肢を活用

当社は高性能の、すでに基本モデルからして卓越して装備されたバッチ処理用加熱炉を開発・製造しています。これらの炉は専有面積が小さく、製品や要件に応じて例えばドロワーや移動式カート、あるいは回転ドラムを実装可能です。


連続生産

シンプルで低コストの生産

当社の一貫式処理炉は高効率製造ライン用における高信頼性の構成要素です。この炉では、標準モジュールによる柔軟な組み合わせも、カスタム仕様での計画・実装も可能です。エアフローは、水平や垂直あるいは両側からの吹込み方式を選択可能で、搬送システムは多様なバリエーションが用意されています。


多様なカスタムソリューション

防爆仕様、防火仕様、クリーンルーム対応

プロセス中に可燃性あるいは爆発性の分裂生成物(80 °C以上の過酸化物や150 °C以上のシロキサン)が放出される場合に備え、安全のための拡張機能を提供します。医療や食品業界向けには、ISO クラス7までの衛生規格準拠クリーンルーム仕様(FDA, BfR)にも対応します。